この11月、社長賞の副賞であるニューヨーク研修旅行から帰国したばかりの小川主任。異例の寒波に見舞われたニューヨークの印象は? その記憶が生々しいうちにお話を伺いたいと、TOKIA店を訪ねました。
小川主任の腕には、ハサミをモディファイしたブレスレット。アメリカ人と結婚してロスに住むお姉さんからプレゼントされたものだそうです。超クール!
Q. 美容師という職業を選んだ理由やきっかけを教えて下さい。
兄の影響で野球を始め、小学校から高1の冬まで、かなり真剣にやっていました。ショートを守り打順は1〜3番、結構いい線いっていました。
ところが中学時代に腰をケガし、一旦直りましたが、高校時代にまた痛め、結局野球は断念しました。
やがて進路を考える時期になり、何をしたいのか自分でもわからず、スポーツのリハビリの仕事、例えば作業療法士なども考えました。
野球を辞めてから、それまでずーっと坊主頭だったのが髪を伸ばし始め、カットモデルをやるようになっていました。
そのうち美容師もいいかと思うようになり、気づいたらそうなっていたという感じです。
友達も、坊主頭のイメージが強いらしく、"なぜお前が美容師に?"と、よく言われます。
Q. 美容学校時代は、どのように過ごされましたか? どんな学生さんでしたか?
学校には真面目に通って皆勤でしたが、ワインディングがものすごく苦手で、学校での毎日がイヤでした。
カラオケでバイトしたり、友人と飲みに行ったり、憂さ晴らしに遊んでばっかりでした。
Q. アシスタント時代のことを教えて下さい。どのように練習されたのか?
また先輩との関係などについて教えてください。
美容学校卒業後、某大型美容チェーンの渋谷店のオープニングスタッフとして入社しましたが、入社2日目、美容師を辞めた方がいいと言われました。とにかく不器用でした。
人の倍練習しなければダメだと、朝も晩もただヤミクモに練習していましたが、ある日、先輩スタイリストの真似をすればいいと気づき、素直に真似をするようになったら、何とか人並みにできるようになりました。その先輩とは仕事でも遊びでも1年365日一緒に行動し、兄貴みたいでした。
アシスタント時代、4つの店を転々としました。渋谷の店で1年半勤めた後、原宿、銀座、青山外苑と移りました。
その都度いろいろな先輩に誘われ店を変わったのですが、自分としてもアシスタントのうちにいろんな店を見たいと思ったので…。
そんなことはアシスタント時代にしかできませんから。
働いた4店舗とも、競合店が多い激戦区にあり、集客が大変でした。
また、銀座のような大人の街は、自分には合わないこともわかりました。
いろいろな店で働くうち、美容室は立地が鍵だと思うようになりました。丸の内という場所に魅かれたのは、競合が少ないから。競争相手が少なければ、自分にもチャンスが回ってくるはず、ここで勝負したいと思ったのです。
ジプシーのように流れ歩いた5年間のアシスタント時代を経て、丸の内のこの店で、正式にスタイリストデビューしました。
Q. デビューされてから今までで、仕事で一番嬉しかったことは?
TOKIA店も、オープン当初は集客に悩み、自分としてもなかなか思うようにいきませんでした。
店の数字が伸びるようになったのは3年目から。
スタイリストになって一番嬉しかったのは、
こんな言い方は芸がないかもしれないけれど、給料が上がったことです。
Q. ニューヨーク研修旅行について教えてください。街や人、サロンも見学されたと思いますが、どんな印象を持たれましたか?
もともと雨男ですが、10月のニューヨークは雪景色でびっくり。150年ぶりの10月積雪ということでした。
ひどく寒かったですが、ハロウィンの時期とあって、仮装した人で、街はお祭り騒ぎ。人の活気がすごかった。
見学したアヴェダサロンは、アッパーイーストにあるヘアサロンで、店販売上最高の店ということでしたが、異例の雪と寒さのためか客足は少なかったですね。
スタイリストは女性が多く、みなさんとても気さくで、鏡に手をついて「今日はどうする?」という感じで接客し、なごやかな雰囲気でした。
でもやっぱり、技術では日本の美容師が一番じゃないかなあ。

Q. 近い目標と、将来の夢を教えてください。
当店の平川店長のような店長になること。平川店長は、おどけて店の雰囲気を盛り上げる、ムードメーカー的存在であり、一方で、数字を実によく把握しています。
毎月一回の自店全体ミーティングで、店の幹部は自店の4部門(ヘア、リテール、スパ、ネイル)の売上を分析し、各々の意見を発表する機会があります。おかげで数字の見方、広い視野が身についてきたと思います。
将来の夢は、経営者になること。男の美容師はカッコいいうちが華で、女性より男性のほうが美容師としての寿命は短いと思います。
自分は早いうちにはさみを置いて、経営者になりたい。
TKSほど大きなチェーン店経営をとはいいませんが、一緒に働く人達が幸せに暮らせるくらいに成功できればと思っています。
Q. 最後に、若い美容師の方々や、これから美容師をめざす学生達に、アドバイスをお願い致します。
この仕事は、うまくいかないことがたくさんありますが、時間が経てばみんな笑い話になります。
美容師人生2日目で、美容師辞めろと言われた自分でも続けてこられたのだから、みんなはもっと簡単なはず。苦しい時は誰だってある。どうして自分だけできないのだろう?と思うことが、たくさんあると思います。
そういう時、逃げるのではなく、やってやれない事はないとガムシャラになることが、スタイリストになった時に活きてくる、一番の財産であると、今は思っています。
美容師は、スタイリストになってからは自分との勝負。その自分との勝負に勝つためには、アシスタントのうちに、できるだけ多くの経験をして、いろいろ吸収しておくことが大事だと思います。
自分としても、アシスタント時代に回り道してきて、良かったと思っています。
■インタビューアー: TKS本部 刀根